星海日記

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戦術弾撃水上艦1
星海雨秋 9384025 2007/02/19 21:11
 LWS-03セイシェルの停泊する海域は、陸地より比較的近い十二海里程の静かな波の海原であった。隣では、ニュー・キャレドウニャ級運搬巡行水上艦五番艦、CWS-05クリスマスの飛行甲板上に、今まさに電磁キャタパルトに位置する戦闘攻撃空中機、FAA-18フォールクンの流麗な曲面美が夕陽に映えていた。
 その最新鋭STOVL機の能力の一つである推力偏向ノズルの長方形は、強力なスクラムヂェット・エンヂンの推力を二次元式ノズル特有の機動性で自在に制御するであろう形である。
 セイシェルとクリスマスの後方には、グリース級戦術弾撃水上艦二番艦、MWS-05イタリの総排水量8500tのステルス性能を究極まで追求した巨大で少々薄い鮫のような曲面集合体とでも呼べそうな姿があった。
 三十二セルのVLS八基を甲板内に搭載し、一斉に発射可能な巡行ミサイルや機動ミサイルの大群二百五十六発を艦内に絶えず潜ませて、半年以上もこの広い海原の一点に待機して、要撃の機会を待つことが可能な核動力艦であるMWS-05イタリが、強襲揚陸水上艦と運搬巡行水上艦の奇妙な組み合わせの小艦隊の最も奇妙な要因である。
 この仮想世界の物語ではない現実世界において、運搬巡行艦は航空機を搭載した飛行甲板を持つ巡洋艦のことであり、第二次世界大戦時には航空巡洋艦と呼ばれていた艦種である。また同じく戦術弾撃艦とは、現実世界におけるアメリカ合衆国海軍ではアーセナル・シップと呼ばれている艦種である。
 今FAA-18フォールクンが、電磁キャタパルトを滑るように発進した。しかしそれは、一個飛行小隊四機であった。かなりの低空をかなりの低速で、フライイング・フィッシュの進む東の方角へ空路を同じにしていた。
 それと同時刻に、イタリの超伝導電磁推力装置が北北西へイタリを動かし始めた。


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